年3回発行している『マーガレットプレス』のメンバーとその周辺の筆者による小さなコラム。過去のダイアリーはこちら→http://mpress.exblog.jp/
はじめまして、「今日の古本」というタイトルで書かせていただくことになりました、小栗です。よろしくお願いします。
古本、と言っても僕は古本屋ではありません。普段は古本とはまったく関係のない会社に勤めています。まずはそんな素人の僕がどのように古本を集めているのか、書いてみようと思います。
古本を集めるには、1.古書組合に加入し、市に参加する、2.お客から買い取る、3.背取り、の3つの方法があります。僕のような素人には1と2は無理なので、3の背取りに限定されます。では、背取りとは何なのか。
背取りは「セドリ」と読みます。「競取り」と書く場合もありますが、意味は同じです。他人の経営する店に行って客として本を買い、自分の店で売ることを言います。諸説ありますが、同業者だと悟られないように本の背表紙だけで価値を判断し、さっと本棚から抜き取るため「背取り」と言われるようになったそうです。
背取りはとにかく足を使います。本を何冊も抱え、一日に何件も古本屋をまわるので体力勝負です。一日中歩き回り、今日はここで最後にしようと思ったときには、もう本を見るのが嫌になっていることもしばしばです。それでもやめずに続けていられるのは、背取りの面白さと奥深さを知ってしまったからだと思います。
その面白さと奥深さの理由は値付けにあります。当然のことながら、売るときには買った値段よりも高く値付けします。古本には定価がないので、値段を幾らにしようと自由です。ただしこれまた当然のことながら、高ければそれだけ買ってはもらえなくなります。探していた本が見つかったとしても、自分が売るときに適正な値段をつけられなければあきらめることもあります。反対に利益を度外視してでも品揃えに加えたい場合もあります。
背取りをするには、幾らで売ることができるのかを判断できるかどうかが重要で、そのためには普段から沢山の本を見ていなければならないですし、その価値を正しく知っていなければなりません。極端な例を挙げれば、ある店で一万円で売られている本が別の店では百円だったりするわけです。値段は古本を扱う人間のプライドなのです。
一箱古本市などもいろいろな地域で頻繁に開催されているので、古本屋になったつもりで値付けの醍醐味を味わうというのも、古本の楽しみ方のひとつとしてお勧めです。
「これで2回目の原稿が間が空くと間が抜けてしまうので間を置かずにすぐに2回目も書くこと。いいですね。待ってますよ。」と、村椿さんから一度目の原稿を送ったら、こんなメールが返ってきました。メールに書かれた他の文面は優しい言葉だったのに、この部分だけ「はっ!上から目線!」とつぶやいてしまいました。僕はだいたいそうなんです。
以前sewing galleryのDMを作った時の話です。僕は出版屋ですが、たまにデザインの仕事を頂ける事がありまして、展覧会のDMやホームページなども作っています。ちなみにこのマーガレットプレスのホームページも作らせてもらいました。宣伝はそこらへんにしておきまして話を戻しますと、元々sewing galleryの代表をしていましたので、今でもsewing galleryの企画展のDMなどは作らせてもらうことが多いのですが、現ギャラリー代表の中西さんから、ある展覧会DMの制作依頼を頂きまして、中西さんからもらった原稿の漢字間違いやら、言い回しをこちらで添削したのです。そして、その旨を伝えるメールを送って返ってきた文章に「いろいろできるようになったね〜」と書いてあり、「はっ!上から目線!」とつぶやくわけです。僕は結構細かい人間です。そんな事をいちいち覚えている、小さい人間です。別に怒っているわけではありません。永遠の弟キャラなんだろうなと、つくづく思います。実際に三男なのです。
さて、デザインの話が出てきましたので、そこを広げて今日は書いてみます。ブックロアにはデザイン担当がおりまして、それが大阪玉造にあるバイエルというお店の店主、梅田唯史さんです。梅田さんは元々sewing galleryのスタッフとしてギャラリーを作り、そして運営していた一人です。本人は謙遜をされますが、ハッキリ言って彼抜きでは、ブックロアもsewing galleryも存在しなかったと思うほどの、キーマンです。今自分がしているデザインの仕事など、全て梅田さんから学んでいます。そんな彼に全ての本のデザインをお願いしています。梅田さんは他に沢山仕事を抱えているにも関わらず、こんなただ横から口をだけ出している僕に付き合ってくれています。でも、一冊作る毎に良いものが出来ていると勝手に思っていますし、毎回デザインが出来上がった時は、「これは売れる」とか「これは良い本になったんちゃう〜」って二人共ついつい口に出てしまいます。そろそろ、次の本のデザイン作業に入るので、梅田さんとまた、こんな言葉をつぶやくのだろうなと楽しみにしています。

個展もちょうど折り返しのところまできました。芳名帳をみると友人が足を運んでくれているようで嬉しく思います。ありがとうございます。
今日は昼の会場にきています。外からの陽の明かりが作品をやわらかく照らしてくれているように感じます。作品は全て飲み終えたコーヒーカップの写真です。作品を飾ってる壁のそばに座るカップルが、作品をみながら珈琲の話をしています。温かい光景です。カフェでの展示は初めてです。ギャラリーでの展示とは違い、鑑賞目的で足を運ぶのではなくカフェで昼食を取ったり、一人の時間に少しだけの潤いを得に来店されます。来たらたまたま飾ってあった僕の作品を見ながら、お互いの好きな珈琲の話をしたり、珈琲ってさなんて話を耳にすると嬉しくなります。
来週の日曜日、31日まで展示していますのでみなさまのご来場をお待ちしております。

和菓子にはお茶が定番ですが、珈琲も豆を選べば和菓子によく合います。今朝は部下がくれた箱根の温泉饅頭と中南米産のブレンドコーヒーとペアリング。饅頭だけだと口にあんこが残りますが、中南米産のさっぱりしたコーヒーを飲むとスッと洗い流してくれます。もちろんあんこを口にしながら珈琲を飲むのもオッケーです。あんこのような濃厚な味とバッチリ合います。
珈琲豆が取れる地域は、大きく三つの地域に分類できます。ひとつは中南米。ブラジル、コロンビア、グアテマラなどです。そして二つ目はインドネシア周辺。マンデリンという名を聞いたことがあるかたもいらっしゃると思いますが、マンデリンはインドネシアのコーヒーです。パプアニューギニアで取れるコーヒーもこの分類です。三つ目が東アフリカ、アラビア地域です。日本ではキリマンジャロが有名ですね。アフリカのなかではケニアやエチオピアが近年、有名になってきていると思います。日本でいう米のように取れる地域で味が異なります。 またこのダイアリーで少しずつ紹介していきたいです。
今日は中南米産の珈琲の話だったので話を戻すと、中南米産の珈琲はサッパリとした口あたりと強すぎないコクが特徴です。もちろんブラジル、コロンビア、グアテマラとそれぞれ味が違いますが、総合的にいうとこのような味だと感じています。誰でも飲みやすく、親しんでもらえる中南米産の珈琲は、初めて豆を買うかたによくオススメします。
そんな誰でも楽しめる珈琲と和菓子のペアリングを今日は紹介しました。鎌倉銘菓、「くるみっこ」も中南米産のコーヒーと共に口にすると至福です!オススメですよ!
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1月も半ばになりました。遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願い致します。
職場である本屋では毎年、クリスマス終了後から「年末年始に読みたい本フェア」を行います。今回は直接の担当ではなかったのですが、唸りながらリストを作っている同僚から「真衣子さんは、年末年始は何を読みたいと思いますか?」と質問されました。
そうねえ、ずっと読もうと思っていたけど、なんとなく手を出していなかったような本をじっくり読んだりとかねえ......。あれこれ考えていたら、読みたかった本を買ってしまいました。職場は年中無休なので特に普段と生活が変わるわけではないのですが、やっぱりお正月は嬉しいものです。
何冊か読んだ中から、シリーズものをひとつ。新潮社から刊行されている、よしもとばななさんの王国シリーズです。「王国 その1アンドロメダハイツ」「王国 その2痛み、失われたものの影、そして魔法」「王国 その3ひみつの花園」。普段、小説は持ち運びしやすいよう、文庫本を求めることが多いです。電車の中、ベッドの中、お風呂の中。あまり言いたくないのですが、歯磨き中や食事中にも片手で読みます。この本は文庫になっていないので、単行本を買いました。文庫になるのを待とうと思っていたのですが、1月7日発売の月刊新潮に「王国 その4 アナザー・ワールド」が掲載されると知って、我慢できなくなりました。
ここで触れたいのは内容についてではなく(とても素晴らしい小説でした。月刊新潮の発売日が待ち遠しかったです)、判型について。読み終わってから、
「この本をはじめに読んだのが単行本でよかったな」
と思いました。文字の大きさや、行間のスペースって頭で考えるよりも大切なものだと思います。1ページ1ページの情報量が脳に心地よく響いて、ページをめくる動きもゆったりと楽しむことができました。
2010年、マーガレットプレスでは年に3回発行している冊子とは別に、ハードカバーの本を作る予定です。1冊目はすでに文章が出来あがっているので、わたしはここのところその本をどんな判型で作ればより作品を活かすことが出来るのか、について考えています。できればみなさんの手元に長く置いてもらえて、そして気軽に持ち運んでもらいたい。日常に寄り添うような1冊に出来るといいなあと思います。手製で作るから、どんな大きさで作ることも可能。それを強みに進んでゆきます。2010年のマーガレットプレスを、どうぞ楽しみにしていて下さい。
年末年始に読んだ本
新潮社 地図のない道 須賀敦子
講談社 ブラフマンの埋葬 小川洋子
新潮社 海辺のカフカ上・下 村上春樹
新潮社 博士の本棚 小川洋子
中央公論新社 回送電車 一階でも二階でもない夜 堀江敏幸