最近、「ごはん食べてる?」と聞かれるたびに「食べてるよ!」と答えていたのですが、よく考えてみると食べてなかった! ひとつのことしか出来ない性格を、なんとかしたいものです。お茶は飲んでるよ!
さて、明日はbiweekly poet 加藤将理さんの会です。最後の詩を、お送りしますね。加藤さんが以前、珈琲ショップに勤務していた頃書いた詩ということです。会場となるTAMBOURIN GALLERYでは現在、松元裕之さんの『ハワイ日系二世の記憶』写真展会期中です。
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『奏でる』
たくさんの仲間とともに働く喜び
たくさんのお客様に出会う喜び
私たちはコーヒーでつながっている
レジで親しげにトークを展開する仲間を見る
カフェラテを作り、お客様に笑顔も渡している仲間を見る
お店全体をきれいに保ち、お客様が快適に過ごすことができるように必死に汗を
かきながら動き回っている仲間がいる
一緒に働いている仲間が笑顔で気持ちの良い挨拶をしている
一人ひとりが使える魔法
みんなは意識していないかもしれないけど、魔法を使っているんだよ
僕は知っているよ
オーケストラでは指揮者は作曲家の音楽を表現するためにそれぞれのパートの良いところを伸ばし、素敵なメロディを奏でようとする
私たちはコーヒーでつながっているんだけど、きっと同じなのだと思う
そっと耳をすませてごらん
ほら聞こえるだろう
僕には聞こえるよ みんなが魔法を使って、メロディを奏でていることを
①ALWAYS
いつも一番最初にやってくる男性がいる
クリーム色のラフなジャケット
あわいブルーノパンツ
黒い2wayバック
行動は決まっている
お店に入ってくると、さっそうといつもの席に向かっていく
そして顔ひとつかえず、カフェラテを頼む
注文を受けて僕はカフェラテを作る
そうそう、二回目に来店した時に僕は、マグカップで飲むことをオススメした
「マグでどうですか?」
「いいよ」
そうして、マグカップで飲むようになってくれた
カフェラテを作るときに、お勧めしたことを思い出す
カフェラテができあがると
とびっきりの笑顔で「ありがとう」といっていつもの席にむかっていく
②サングラス
「今日はプリンにホイップをつけようと思うんだけど」
「いいですね」
その人は今日はいつもより濃いサングラスをかけている
サングラスをしている人の目をみていいものかを考えてみる
サングラスには二人の自分が映っている
ひとりはその人の目をみようとしている自分
もうひとりはどこをみていいかわからず、宙をおよいでいる自分
ぼくはもう一度しっかりとその人の目をみる
「今日のサングラスどう?」
「お似合いですよ」
そしてホイップたっぷりにしたプリンを持って席にいく
③至福の10分間
僕のお店は10時にオープンする
10時30分から40分までの10分間
その人はお店にあるソファーを2つくっつけて足を伸ばし本を両手でもち読む
その人のそばのテーブルにはベンティサイズのホワイトチョコレートモカ
至福の10分間
④あたためる時間
小関さん ぼくのお客さんの中で最高齢
小関さん いつも奥さんと一緒に語らいにくる
僕は二人分のマクガップにお湯をためカップを温める
その数分間、ぼくと小関さんは言葉を重ね合う
内容は、奥さんにはいえないこと☆
「小関さん、お待たせしました」
⑤挨拶
「はじめまして四月より働かせていただきます加藤です」
こうやって名前をお客さんに名のることが出来たのはあのロマンティックな人のおかげだ
こうして見知らぬ土地で、まだ一緒に働いたことのない仲間の中で、まだ見ぬお客さんに自分を伝えていく方法を持てた
「加藤さん、今日混んでるね」
「そうなんですよ。ごめんなさい、少し飲んでいきます??」
試飲用カップに少しだけコーヒーを入れて渡す
「また来るよ」と快く声をかけてくれる
⑥3人組みの悪巧み
一人はマイタンブラーをもってきてドリップコーヒーを頼む
二人目は軽井沢から新幹線通勤している方 その方とは正面ではなしたことはない その人は斜め下を向いてさらっと290円を置く
三人目の方は決まって少しさがって、その二人を待っている
そして三人はいつも笑いながら店を後にする
ぼくはその三人がいらっしゃると小学生の自分に戻り
ワクワクする
そして、これから何か悪巧みでもするのかなとほくそえむ
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