村椿菜文 naya muratsubaki

1973年生まれ。神奈川県在住。3児の母。著書に『神様は7日目に休んだ』(ウィンドチャイムブックス)、『内藤三重子さんのこと』(アノニマ・スタジオ)。湘南を中心に朗読会を行っている。

2012年2月

2/29 うるうび



今日お誕生日の方、4年に一度のお誕生日おめでとうございます!

ただいま朝の7時。雪だ。雪といってもまたたいしたことないんだろうと思っていたら昨日、南里さんに会って、南里さんが「明日はたくさん降るわよ」と確信を込めて言っていて、雪国育ちの人の勘はきっと並じゃないのだろうと、だから明日はしっかり降るんだろうと思って寝たらほんとうにしっかり降っている。ようやく咲き始めた梅が寒風に震えてる。でも梅というのは健気な花で、春の初めに先頭切って咲くだけあって雨や雪にも負けずに咲く。

親鸞を一休みして、片山洋次郎の『ユルかしこい身体になる』を読んでいる。たくさんの情報や刺激に常にさらされ続けることで身体はどんな反応をするのか、どう適応しようとしてどんな影響が出るのかがずーっと書かれているんだけど、読んでいるうちにインターネットも携帯電話もつながらない人里離れた山奥に引っ込みたくなる。じゃ、どうすりゃいいんだ、という話がこれからはじまるわけで、早くそこまで読みたい。ただ、身体は環境の変化に一生懸命適応しようとしているわけで、これもひとつの過程。悪いことばかりのことなんてなくて、物事はいつも表と裏があるということで、この調整を経て次の段階にいくんだよね。
2012.02.29 06:45

2/28 梅が咲いた



だんだん梅が咲いてきた。庭がほんのり梅の香り。いつもうちの梅は咲くのが早いので、梅が散ったあと新芽の季節までだいぶ間があって、他に花がないので2月から3月あたりまで寂しい。今年は梅が遅かったのでその寂しい期間が短くなっていいかな。昨日は風がびゅうびゅう吹いて外を歩いていると体感温度はいっそう低く、夕方「今日は寒かったなあ」と言ったらなっくんに「そう? 今日はあったかいと思ったけどな」と言われた。真冬でも短パンで外で遊んで帰ってくる息子に「おお、今日はあったかいな」なんていう感覚があるんだろうか。そんなふうに日ごとの温度を感覚できているんだろうか。そんな彼も家のなかでいちばん好きなのはファンヒーターの真ん前。寒いのは平気。でもあったかいのも好き。そんな感じかしら。よくわからん。
2012.02.28 06:42

2/27 かわりめ



新しいパソコンがやってきて古いパソコンがそれを見て「ようやく肩の荷がおりる」と思ったのかぱったり動かなくなり、おーい、それじゃ困るんだよー、とすったもんだし、今もすったもんだは続き、携帯電話も調子が悪く、もうじき使えなくなりそう。来るときは一気に来るもんで、今、そういうときなんだなあと思ってのんびりしている。

スピリチュアル系の本を何冊か続けて読んで面白かったんだけど、読んでいるうちに「やっぱり親鸞がすごいんじゃないか」とふと思って、かといって印象でそう言っているだけでよく知らないので、昔に読んだ本を読み返したりして、最近は親鸞が面白くて仕方ない。自分の読書といえば、読むのが遅いうえに興味があっちにふらふらこっちにふらふらで、たいして身に付くものはない。でもそれだけに、下心がないというか、これを読んでどうにかなろうという気持ちもないので、純粋に本を読むことが楽しくて嬉しい。
2012.02.27 06:32

2/22 今日はもしかして猫の日?


昨日はどんな1日だったのか、ぜんぜん記憶がないなあ、と思ったけれど、それもそのはず。だって昨日は1日なーんにもしないで寝てたんだもん。旅の荷物を解いているそばから楓がまた鞄にタオルやらぬいぐるみやら詰め込んで旅に出ようとするので部屋の中はくちゃくちゃだったけれど、大人しく遊んでいてくれるので放っといて寝てしまった。馴染みのあるおもちゃを一個ずつ確かめるように黙々と遊んでいた楓。「そうだ、ここがお家だ」と確認していたみたい。

誠文堂新光社から発売された『平屋に暮らす』という本に我が家を載せていただきました。
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こんな感じで。編集は小澤典代さん。気さくでやさしい方で、取材の日は楽しかったな。
どこかで見かけたら手に取ってみてください。永井さんの丘の上の家も、nicoのゆみちんの家も載ってます。あとCHAJINさんのお家が! すごく良いお家なんです。それぞれみんな違った暮らしなんだけど、やっぱり共通項もあって、読んでいると楽しい。みんな自分の家を愛して楽しんで暮らしてる。

昨日は1日寝ちゃったから今日はちゃんと掃除しよう。


言葉のワークショップ [MARGUERITE LABO] 開催のお知らせ

小山千夏さんのお店「fabric camp」に場所をお借りしてワークショップを始めます。言葉のワークショップです。
様子を見ながら定期的に続けていきますが、一回からの参加も可です。
第一回目は3月18日 日曜日 12時頃から夕方5時まで。
二回目は4月26日 木曜日 時間は日曜日クラスと同じです。
週末の方が都合がいい人、平日の方が時間のとりやすい人、両方いると思ったので、奇数月は日曜日、偶数月は木曜日としました。要予約で一回5名くらいでやろうと思っています。詳しいお問い合わせ、予約の方はnaya●jcom.home.ne.jpまで。

2012.02.22 07:17

2/21 岡山から帰宅

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岡山から帰ってきたよ。きれいなところにたくさん連れて行ってもらったのに、撮った写真はこの一枚だけ。岡山駅前のポストの上に桃太郎がいるのを発見して撮りました。岡山といえば桃太郎。駅前の大通りも「桃太郎通り」といいます。「ポストが巨大に見える」と言われますが、ポストは普通のサイズです。楓がちっちゃいんです。

蟲文庫では素晴らしい時間を過ごすことができました。店主の田中美穂さんの協力なしにはできなかったことです。永井さんが岡山でも愛されていたことを身をもって知りました。
まいまいの父さんと母さんには家に泊めていただき、ごはんをごちそうになり、車を運転してくださって観光案内もしてくださって、「またいらっしゃい」と言ってくださったので、岡山に実家ができたつもりですっかりまた行く気でいます。

岡山の旅の模様はきっとまいまいがマーガレットダイアリーの中で伝えてくれるでしょう。とにかく楽しく充実した旅でした。風土の違う場所を訪ねると普段考えないようなことも考えるものです。刺激を受けて帰ってきました。楓が拾った松ぼっくりを庭に置いておこう。よその土地に行ってその土地のものを持って帰ってくると、家とその場所との架け橋ができると何かで聞いたので。

2012.02.21 07:39

2/14 バレンタインデーですが特にそれらしきことはありません。

ただいまメールの送受信ができなくなっています。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

パソコンが家にあったりなかったりする。大工が仕事場に持ってっちゃうから。明日あたりからしばらく家にパソコンがない日々です。うちにはテレビがないから、パソコンもなくなるとほんとうに暇で、楓にDVDを見せてる間に何かする、ということもできないし、ヒナとナツもすっかりインターネットに毒されているので暇そう。そして暇だからこその時間の使い方をしていて、ヒナも「毒抜きだねー」なんて言っている。しばらくオフライン生活です。
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仕事場にパソコンもってこもっていた大工以外みーんなが暇だった日曜日。ナツは「うおー、暇だー」と突っ伏している。
子ども達は日のあたる縁側に固まる。猫みたい。あったかい場所、涼しい場所を見つけてそこに固まる。

日曜日の午後にLAMA coffee http://lamacoffee.blog32.fc2.com/ のよしくんのところに『神様は7日目に休んだ』とマーガレットプレスの金メダル号を届けてきました。お店に置いてもらえることになったのです。LAMAでマーガレットプレスの本が気になった人はそこから辻堂駅西口に向かって5分歩けばShabby blueがありますからね、バックナンバーもそろっています。よしくんのところに置かせてもらう本はなおさんのところと変化がつけばいいなあと考えていて、ただいま企画中です。

よしくんと、詩とスプーンを交換しました。永井さんの『恋することについて答えを出そう』をプレゼントしたのです。「ちょうど最初にぱっと開いたところに、その日朝からずっと考えていたことが書いてありました!」とよしくんびっくりして、お店のブログに載せてくれています。永井さんの詩、ほんとうにたくさんの人に知ってもらって、読んでもらいたい。

スプーンは何かというと、よしくんが「もしいらなかったらいらないってはっきり言ってください。無理して受け取らないでください」と、いつものたどたどしさで長い前置きをしたあとくれたのが、古い銀のスプーンでした。匙の部分に小さく「READING」と彫りつけてある。びっくりして、嬉しくて、ほんとうにびっくりして、嬉しく受け取りました。きっと「読書」っていう意味なんだろうと思うけど、その日の朝、「朗読をちゃんと続けていこう」と思いを新たにしたところだったので、朗読の神様が「ちゃんとやんなさいよ、やっていいんだよ」と言ってくれたんだと思って、朗読のお守りにすることにしました。

よしくんの喋りのたどたどしさは彼独特のもので、伝えたいことに対して正直なんだろう。それに比べて何でもぺらぺら滑っていく自分の口はなんと軽薄な、とよしくんに会うと思う。楓は帰りに「よしくんのお話、楓ぜんぜんわかんないんだけど、でも楓は今日、よしくんに元気をあげた。よしくんもそれをわかってる」と妙に力を込めて言っていたので、何か通じるものがあったのでしょう。

さて昨日。
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近所の「お山の道」の散歩に。寒くて外を歩きたくないのでしばらく行っていなかった「お山」。冬の「お山」は空気がきりっとしていて気持ちがよかった。木がたくさんあるところに行くと元気になる。写真の木は「お山」の中でも特にわたしが好きな木。葉が茂る季節でも根元に日だまりができる。昨日はよく歩いたなあ。

さて。今日も新しい1日。

そんなわけでブログの更新が間遠になるかもしれませんが元気にしてますのでご心配なく。日曜日は永井さんの詩を伝える旅に。岡山ですよ。倉敷ですよ。蟲文庫ですよ。ああ、なんて幸せなんだろう。

2012.02.14 06:41

2/12 昨夜タンバリンにて

昨日。タンバリンギャラリーにて。

ギャラリーに一歩入ると壁中が永井さんの作品でうめられていて、それがあまりに自然だったので、作品を観なきゃという感覚がまったくなく、ただただ普通に楽しくそこにいられたのでした。家に帰ってからそのことを大工に話すと「永井さんの作品をそうやって感じられたのはよかったんじゃないか」と言ってました。大工はわたしよりもずっと永井さんとの付き合いが長く、お仕事を手伝ったりもしていて、特にタンバリンに展示されていた作品の方には馴染みがあるんです。昔、大工は美術館が苦手だったそうです。「カネ払って入ったんだからちゃんと観なきゃ」とか、デートで行ったりもしたので「どの絵の前で立ち止まったら『さすが』と思われるか」とかよけいなことを考えてしまうので苦手なんだと、永井さんに話したことがあるそうで、そうしたら永井さんは「オレもそう思う」と言ったんだそうです。「観なきゃ」じゃなくて空間そのものから感じればいいんですね。で、昨日はごく自然にそういうふうにあの場にいられて幸せでした。タンバリンでの永井さんの作品展は今日までやってます。

「象の音楽」は永井さんの詩を読んで、イシカワさんが腰の痛むのも忘れて美しいメロディーを奏でました。終わったあとでダモちゃんから「声もピアノもビューティフルでした」と声をかけられて嬉しかった。ビューティフルだって!

久しぶりにライブに連れて行ったヒナも何かを感じたようです。人と人とのつながりとか、永井さんはもういないんだな、ということも、あの子なりに。

そう! 永井さんはもういないんです! いるよ、いつだってここに。というのもわかるんですよ。ほんとうに。おばあちゃんが死んだときより犬が死んだときよりはっきり感じる。ああ、亡くなってもちゃんとそばについていてくれてるんだな、と。そういうことってほんとにあるんだな、と。でも、体はもうないんです。さわれない。永井さんの滑舌の悪い早口も聞こえない。ひどい(本当にひどい)セクハラ発言も、全然おもしろくないだじゃれもない。そのことを、昨日のような集まりがあるとはっきり感じます。星ヶ丘の音楽祭のあとにも同じことを書いたけど、「不在の確認」なんです。だからものすごく寂しい。こんなことにはもう耐えられそうにない、と思うほど寂しい。でも、楽しい。みんながいて。永井さんが引き合わせてくれたみんな。濱口さんの「くよくよするなよ」はもうぐだぐだのぐずぐずで、イッツオールライトやったで〜。
(生きていると寂しい)=(生きていると楽しくて嬉しい)
天秤にかけるとぴったり釣り合います。このどっちかだけを見て、どっちかを見ようとしないのは、自分に正直じゃないから。どっちも同じ分量だけあるんだ、ということをわかっていようと思います。

さ、次は蟲文庫だー。嬉しいな。
2012.02.12 08:26

2/11 タンバリンゴーゴー

昨日。まいまいがうちに来る。19日の蟲文庫での朗読会の練習。まいまいと声を合わせるのははじめてのことだけど、一緒にいる時間が長いと違和感もないもんだ。夜は蟲文庫の田中美穂さんがお書きになった『わたしの小さな古本屋』を読みました。読んでいる間じゅう楽しかった。古本屋というのはもちろん古本を売るお店で、ぎっしりと古本が詰まった空間で1日を過ごすわけだけど、やっぱり人との関わりが欠かせない仕事なんだということがよくわかった。地味〜な毎日の積み重ねの中で縁がつながって人がつながって大きな輪になっていき、時間が流れていき、「ああ、これでいいんだ」と自分が存在することを許されたような瞬間があって、今いる場所を自分の居場所として認められる出来事があって、そしてまた地味〜な日々は続き。読後感も含めて「好感の持てる」本でした。ほんと、「おもしろかった」とか「ためになった」ではなくて「好感の持てる」本。親しみを感じる本でした。

さて〜。今日は午後からタンバリンギャラリーに行ってきます。象の音楽ですよ。夕方4時くらいからです。相方の腰が心配だったけど、もう心配したって仕方ない。当日が来て、相方の顔を見たら、あとは楽しくやるだけです。キッチンシスターズも賑々しくやってきます。わたしもたぶん一緒に2曲くらい歌うよ。
2012.02.11 08:50

2/10 お雛様

今週のブックストアは都合によりお休みします。風邪なわけではありません。みんな元気です。

辻堂のShabby blueのなおさんのところにマーガレットプレス「金メダル号」を託してきました。「マーガレットプレスにぴったりの棚を見つけたんです!」と、今までより見やすいラックに納めてくださって見やすい場所に置いていただいて本当に感謝です。

まいまいがマーガレットダイアリーで岡山の蟲文庫にて行われる朗読会のことを書いています。蟲文庫の田中美穂さんの書かれた「永井さんのこと」という文章を読んだら最後にクスリと笑ってしまいました。永井さんの声が聞こえてくるようで。永井さんに背中を押されて一歩踏み出した人がいかに多いことか。そして今も、背中を押されて岡山に向かおうとしているわたしです。

昨日、お雛様を出しました。うちのばあばの第一号作品です。だんだん着物の裾がずれてきて下の土台になっているボール紙がはみだしてきてしまった。お雛様の袖は待ち針でピッと留めてあるだけ。これがある日突然宅配便で送られてきたのです。その頃のばあばは新潟にいたからね。ヒナの初節句のときなので、あれから13年たったわけです。赤ん坊が中学生になって、反抗期真っ盛りで、今朝も「笑ったら損」みたいな仏頂面で喉の奥で「行ってきます」をようやく聞き取れるくらいの声でぼそっと言って出かけました。息子か? 息子になっちゃったのか? と思ってしまう。その代わりといってはなんですが、楓が「わー、ばあばのお雛様かわいい」と、かわいらしい姿でお雛様を愛でています。
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2012.02.10 07:45

2/9 古いものから新しいものへ

古いコンピュータが全く起動しなくなったのでデータの移行ができず、いろいろ不便。メールの送受信も未だできません。ご迷惑おかけしています。大工の仕事のパートナーが専門のところに修理に出してくれているが重症らしい。「これ、もともとおかしかったでしょ」と以前からあった症状のいくつかをぴたりと言い当てられる。専門家っていうのはすごいもんだ。もうほんとうに、これが当然の流れなんだろうと思うけれど、ヒナとナツは新しいコンピュータの機能を誰に教えられなくても発見し、喜々として使っている。さすが、デジタルネイティブは違います。子どもの頃にデパートの自動ドアで「大人になって初めて自動ドアを見た人はびっくりしただろうな。そのびっくりを、自分が体験することはないんだな」とふと思ったことを今でも覚えている。エスカレーターも、エレベーターも、カラーテレビも、大人になって初めて見た人はどんなふうな気持ちなんだろう、どんな衝撃を受けるんだろう、と。考えても想像しようとしてもよくわからなかった。でもね、いろんなことにびっくりしてますよ。駅の自動改札を初めて見たのは中学のときの修学旅行で行った京都で、先を行くよその中学生の集団が自動改札に切符を入れて向こう側からひゅっと出てくるその速さに驚いて「すっげー、速いー!」と大きな声をあげているのを見て「田舎臭くてみっともない。自分は驚かないようにしよう」と思って息を詰めて切符を入れたらすごい速さでひゅっと出てきて、声には出さなかったけどやっぱり心の中で「すっげー、速いー!」と叫んでいたのでした。ヒナやなっ君達にもそういうことがあるんだろうか。まだこの先があるんだろうか。長生きしたいな。長生きしていろんなものを見てみたい。




2012.02.09 08:54