息子の自転車
昨日、息子の自転車を粗大ゴミに出した
電話で予約しておいたので
朝のうちに門の前に置いておいたら
お昼前にはなくなっていた
物音にも話し声にも気がつかなくて
何度目かに縁側に立ったときに
さっきまであった自転車がなかった
息子の体には小さくなってしまった自転車
誰も乗らずに庭で雨ざらしになっていたから
なくなったら清々するだろうと思っていたら
ぜんぜんそうではなくて
買ってやったときの息子のはしゃぎぶりや
得意げに庭をぐるぐる乗り回していたことや
ちょっと頑張って買ったので
お金を払うときの「えいやっ!」という自分の気持ちや
はしゃぐ息子の姿を見て自分までもが嬉しく
誇らしい気持ちになったことを思い出して
感傷的になってしまった
過ぎた時間は戻らないって、あなた知っていましたか?
わたしはどうやら、知っているつもりになっていただけで
ほんとうにはわかっていなかったみたいです
そうしてこういうときになって思い知らされて
びっくりして
忘れて
またびっくりして
そんなことを繰り返しているなんて
せっせと食べるものを隠しては隠し場所を忘れてしまうリスを
なんて他愛のない、可憐な生き物だろうと笑っているけれど
自分もそんなに変わりはしないのだと
思った日でした
自転車はなくなってしまったけれど
思い出は残っている
いつもは忘れていたのに
自転車がなくなったことで思い出を掘り当てた
笑顔や膝小僧につくった擦り傷
ほんとうに
リスと変わらない
自転車がなくなってひと晩たって
やっぱり庭は少しスッキリと広くなって
清々した